1回九州カラオケ音楽祭2022:審査総評
2022年10月09日、佐賀県上峰町センターメインホールにて第1回九州カラオケ音楽祭、通称「九音祭」が開催されました。
全国トップクラスの大会で、優勝賞金は30万円。
本戦は長尾利宏先生、松下芳弘先生と3人で審査員を担当させていただきました。
また、サイドイベント「ビギナーズカップ」カラオケ大会未経験者・未受賞者だけで行うステップアップの大会が同時開催されました。
あの有名オンラインカラオケ大会「カラオケキング」主催の三枝友佳先生と二人で審査員を担当させていただきました。
運営の益田・松尾両氏の大会にかける思いが非常に熱い大会でした。
お二人ともが全国様々な大会の参加者であったことから、常に参加者目線で大会を運営されている点が素敵な大会だと思いました。
次年度の開催も既に決まっております。
第2回九音祭 2023年9月17日(日)
くまもと森都心プラザホール
優勝賞金30万円・2位10万円・3位5万円・4位3万円・5位3万円・6位3万円・7位2万円・8位・2万円・9位1万円・10位1万円
という高額賞金大会です。
詳細はTwitter @kyushuongakusai
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ビギナーズカップ 27名様ご参加
三枝先生と二人審査であり、カラオケキングとのコラボイベントでした。
順位付けについてはそれぞれの審査員が出した順位に点数をつけて1位なら12点・2位なら10点・3位は8点、、、というふうに(点数は仮)二人の順位点の合計が高かった方から上位になるように順位付を行いました。
全員の歌唱終了後に審査員会議を設け、お互いの順位付に違和感がないかどうか見落としている要素がないかを確認しました。
Sランク 0名
A+ランク 6名
Aランク 11名
A−ランク 9名
B+ランク 0名
Cランク 0名
のスコアをつけさせていただきました。
今回はビギナーズカップの審査基準を藤井独自で設けました。三枝先生は先生の基準で精査されています。
主には歌唱の基礎技術(音高管理やリズム管理・発声など)が高いレベルにあるかどうかを判断させていただきました。
歌唱のミスらしいミスには通常通りの失点指摘を行い、歌唱の魅力提示が認められた箇所には大きめに加点指摘を行いました。
また、ミスか魅力提示か判断が微妙な箇所は全て加点にまわしました。
ミスを魅力提示で補える審査を行いましたので、本戦と比較しても評価が高いものになりやすくなりますが、ミスによる失点指摘は通常通り細かくとりましたので超インフレの点数付になるということはありませんでした。
上位受賞された皆様、おめでとうございました。
私はこの受賞者の中では20番:恋唄を歌唱された緒方陸斗さんに最高評価をとりました。
発声に厚みがあってミスが非常に少ない歌唱をされており、全参加者の中でも際立って高い技術を有するシンガーだと判断致しました。
三枝先生の審査は大変納得できるものであり、さすが全国最大手のオンラインカラオケ大会カラオケキングの主催をされる先生だと思いました。
鋭い視点で書かれている寸評は私自身拝見していてとても勉強になりました。
カラオケキングはこちら
ホームページ:karaokeking2022.hp.peraichi.com
Twitter:@karaokeking2022
九音祭 本戦 95名様ご参加
Sランク 0名 100点〜97点評価
A++ランク 3名 96点〜93点評価
A+ランク 17名 91点〜92点評価
Aランク 41名 88点〜90点評価
B+ランク 31名 85〜87点評価
Bランク 3名 〜84点評価
のスコアをつけさせていただきました。
こちらは藤井の審査基準による私ひとりの審査結果であり、お二人の先生の審査結果とは異なります。
本戦は各審査員が100点満点の持点をもってそれぞれの審査基準で点数を提出し、その合計点で順位付が行われました。
全員の歌唱後に審査会議が設けられ、それぞれの点数付に違和感がないかどうかを細かく議論致しました。
結果お客様をお待たせする事態となってしまい大変申し訳ありませんでした。
しかし非常に白熱した議論が交わされ、九音祭審査部のレベルの高さを実感致しました。
私の審査ランク付をみていただいてもおわかりの通り非常にハイレベルな大会であったことがお分かりいただけると思います。
歌唱上級者と判断して良いと思っているAランク以上に半数もの方が入っておられます。
今回A+ランク以上をつけさせていただいた方は藤井の審査において上位20%程度のごく限られた方です。
A++ランクになると上位3%となります。
A++ランクに評価した方は以下の3名様です。
3番 ふるさと山河を歌唱された 宮本雅博さんに 93点
43番 サンサーラを歌唱された 馬場亜衣里さんに 94点
71番 アイヤ子守唄を歌唱された 中井亮さんに 95点
ロングトーンのフラット方向への音高管理ミス・地声から裏声へのスイッチに係る音程移行の引っ掛かりなど、お三方ともにミスが認められてある程度大きな失点指摘をつけました。
そのためSランク相当の点数とはなりませんでしたが極めてハイレベルな歌唱をご披露いただいたと思いました。
3名様とも上位受賞されましたので長尾先生・松下先生との審査判断がよく合った大会であったと思います。
A+ランクをつけた方に関してははっきり上級者の歌唱をされていることがどなたにでもわかりやすい歌唱内容であったと思います。
その中で歌唱のわずかな違和感が生じてしまっているはずですので、そういう点については審査寸評に記載をさせていただいていると思います。
Aランク・Bランクの方に関してはミスらしいミスが認められたのではないかと思います。
その程度や頻度に応じて失点の指摘がなされています。
こちらも主たる失点指摘の内容については寸評に記載を行ったと思っております。
審査には様々な価値観がありそのどれもを否定するわけではないと前置きした上で敢えて記載をしてみますが、
私は歌唱の魅力提示・聞き応えの高さが「 3.5 」程度
(ここが歌唱のいいところだな、工夫している技法だなという加点指摘)
聞き心地の良さが「 6.5 」程度
(ここが歌唱の違和感だな、ミスがあったなという失点指摘)
くらいの割合で審査をしています。
もちろんその大会ごとで多少の修正をして臨みますが概ねどの大会もこのくらいの判断基準です。
現役時代、お客様に聞いてもらう歌唱に粗さやミスがあってはいけないと刷り込まれてきたからか、人に聞かせる歌唱に完成度の高さを要求されることは必然であり、ミスらしいミスをされた時に歌唱の魅力提示でそれを回復することは一部出来たとしても、完全に回復しきることはほとんどの場合出来ないと思っています。
しかしながらただミスがない歌唱というだけではお客様の心を掴むことは出来ませんので自身の歌唱の魅力ポイントをきちんと提示していただく必要があると思います。
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審査のこばなし
演歌を歌唱された方が2名も上位受賞されたから演歌を歌唱するのが強いのでは。
歌唱順が前だから不利なのではないか。
このような声がよく聞かれます。
私は全くそのように偏った審査を行うこと、行ったことはありませんし、九音祭審査部ではそのような傾向は微塵も感じられませんでした。
運営側から審査について何の制約もなく自由に精査させていただきました。
公正公平に歌唱者の技術のレベルを判断する大会であったと思います。
余談ですが私は制約(誰かを勝たせて欲しい・勝たせないで欲しいなど)があったら大会当日でもお仕事を断ってしまうタイプです。
それで実際にお断りをした大会さんも複数件あります。
演歌が強い、R&Bが弱いのでは。など歌唱ジャンルに関するご質問をよくいただきますがこれに関して私は一切手を加えた審査を行ったことはありません。
他の先生方がどのようにお考えか、大会運営がどのようにお考えかはそれぞれ価値観の違いがあるかと思います。それを否定するものではありません。
私は上位受賞者が仮に全員演歌歌唱者で固まったとしても私は当日の出来が本当に良かったのであればそのまま順位・スコアに反映します。
一生懸命に練習を重ねて良い出来の歌唱が出来たのに「他の上位シンガーが同じジャンルを歌唱したからという理由で上位に入れない」ということがあってはその方があまりに可愛そうだと思うからです。
自身のトレーニング生に対して甘く審査する・厳しく審査するがあってもいけないと思っています。
その大会に出場された場ではトレーニング生ではなくいち大会参加者として公平公正に歌唱内容を精査させていただくことを意識しております。
ご依頼をいただく大会の成功のために審査員として何が出来るのか。
それは公平公正に審査を行うこと。
根拠のある、より正確な審査判断を行うことに尽きると思います。
ご依頼をいただける大会のため、ご参加いただく皆様のために力を尽くして参ります。
今後とも宜しくお願い致します。
今回、大会会場で初めてお会いする方からたくさんお声をかけていただけました。
とても嬉しかったですね。
是非大会会場で藤井を見かけたらどなた様もお声をかけていただければと思います。